2020年2月20日更新
鎌倉・鶴岡八幡宮でしか体験できない「厄除大祈祷」~厄難焼納札で厄除祈願~
鎌倉を代表するお宮といえば、鶴岡八幡宮。
毎年節分前の土日をはさんだ1週間、今年1年の厄をはらうため、厄除大祈祷(やくよけだいきとう)が行われます。
節分前に厄除けを
鶴岡八幡宮では、いつでも厄除け(やくよけ)のご祈祷をしていただけますが、節分前に大祈祷が行なわれるのは、年徳神(としとくじん)をお迎えする前に悪い邪気を祓う(はらう)という意味があるようです。
年徳神と年神様は同じ神様
さて、お正月にお迎えする年神様(としがみさま)は聞いた事があるけれど、年徳神(としとくじん)って何?と疑問に思う方も多いでしょう。
実はどちらも同じ神様なのですが、お正月にお迎えする際は「年神様」、節分の頃にお迎えする際は、毎年の福や徳の方角である恵方をつかさどることから、「年徳神」と呼ばれます。
厄除けとは?
厄除けは生活の知恵から生まれた風習
日頃、何気なく「前厄」「本厄」「後厄」と厄年を気にして過ごしていますが、「厄年は良くない事がありそうだから気をつけよう」くらいの意識しかなく、その意味を真剣に考えた事、あまりないですよね。
「厄年(やくどし)」は、災い事がおきたり、病気になりやすいと言われますが、「厄除け(やくよけ)」は古くから生活の知恵として伝わる風習です。
お宮参りや七五三も厄払いの一つ
「厄(やく)」とは、災い、苦しみ、特に病気で苦しむ事を意味します。
実は子どもが生まれた際の「お宮参り」や「七五三」も厄払いの一つです。
男の子が生まれた時や、お正月に破魔矢を飾るのも、厄除け、魔除けの力があると信じられているからです。
江戸時代の頃まで、乳幼児の死亡率は5割だったといいますから、7歳まで生きられることは或る意味奇跡だったのかもしれません。
厄除けは「厄病神」を追い払う儀式
昔の人々は、病気は神様のしわざによるものと考えており、その神を「厄病神(やくびょうがみ)」「疫病神(えきびょうがみ)」などと呼びました。
そして病気にならず健康で過ごすために、神様のご機嫌をとるためのおもてなしや、厄払いをするようになりました。
これが厄除けの起源です。
「厄年」は生活や身体の変わり目に設定されている
厄除けは、江戸時代中期、民間信仰として、人々の日常生活の中から形成されたといわれていますが、身体の変わり目となる年齢が厄年に設定されていることに気が付きます。
女性の本厄
女性の本厄とされる年齢は19歳、33歳、37歳、61歳。大厄は33歳です。
江戸時代の女性の結婚適齢期は15歳から19歳といいますから、生家から婚家に嫁ぎ生活が劇的に変わる年齢です。初産もこの時期だったかもしれません。また33歳、37歳は高齢出産のリスクや更年期の始まる時期だったのかもしれませんね。
男性の本厄
一方、男性の本厄は25歳、42歳、61歳。大厄は42歳です。
江戸時代、子どもは10歳を過ぎれば社会に出て働いたと言いますから、25歳といえば一家の長として立派に家業を継ぐ年頃だったでしょう。42歳は、働き始めて30年以上、現代で言えば定年の時期だったのかもしれません。
また当時の平均寿命は50歳だったといいますから、男女ともに61歳まで生きていれば、かなりの長寿です。厄払いと同時に、お祝いの意味もあったのかもしれません。
鶴岡八幡宮の厄除大祈祷!
厄払いをしようと思ったら、お寺や神社どこでも厄払いをしていただけますが、それぞれの寺社では、様々な工夫をこらしています。
せっかくお参りするのですから、そのお寺、その神社にしかない「オンリー」の厄払いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
特別な「祝詞」と「神楽舞」で厄除け効果は抜群
鶴岡八幡宮では、初日に「厄除大祭」を執り行い、その後「厄除大祈祷」が行われます。
「厄除大祭」は、初日の初回のみ執り行われるもので、鶴岡八幡宮の神殿で行われます。
「厄除大祈祷」は、期間中7日間にわたり執り行われ、神職が厄除け祈願の特別な祝詞(のりと)を唱え、舞殿では巫女(みこ)さんによる神楽舞(かぐらまい)が奉納されます。
「厄難焼納札」を浄火にくべて、通常よりも強い厄除け祈願を
鶴岡八幡宮にしかない特別の厄除けは、「厄難焼納札」です。
左側に「開運招福」、右側に「厄難焼納」と書かれた木のお札をいただき、それぞれに自分の名前を記します。
そして真ん中からパキッと二つに折ったら、お庭において、「厄難焼納」の方だけ火にくべましょう。浄火をもって厄除札を焼納するので、通常の厄払いのご祈祷よりも強く厄除祈願をしていただけます。
「開運招福」のお札は決して火にくべないように!!
お守りとして持ち帰りましょう。
「厄除大祈祷」は お土産もいっぱい
受付を行い初穂料の1万円を奉納すれば誰でも参加できる厳かな儀式です。
大祭に参加する人には「厄除焼納札」と「破魔矢」をいただくことができます。
厄除けが終了した後には「御神酒(おみき)」と「招福お神酒まんじゅう」もいただけるので、お得感があるかもしれません。